「予防的虫歯治療」という新しい考え方

病気になったら治療をして治します。
病気になる前には、病気にならないように予防をします。でも病気のなり始めで症状のない時には、通常はなんでもない時と同じ予防処置しかしません。

実は、虫歯も歯周病も初期には症状がなく、ほとんどの場合、精密に診断しなければ問題が起こり始めていることに気がつきません。

予防処置だけでは進行してしまう小さな虫歯が出来てしまったなら、たくさん削らなくても済む段階で見つけて、治療をしてしまえば、神経を取るほどの虫歯になることもないし、歯も長持ちします。

数ヶ月に1回、歯科医院できちんと予防処置を受けているのに、虫歯になって痛みが出てきたり、たくさん削らなければならなくなった方が、たくさんおられることと思います。

ドイツ製のレーザー虫歯診断機は、私たちが目で見ているだけでは見過ごしてしまうような虫歯を、デジタル表示で数値化します。この診断機は優れもので、削らなければならないのか、まだ削らなくて良いが虫歯が起こり始めているのかをかなり正確に診断してくれて、それを数値で表示します。

この診断機の数字を見ながら、歯科医師がルーペを使ったり、X線撮影をして、精密に虫歯を診断します。そして、削る必要がある初期の虫歯は、その虫歯の部分を先が針のように細いドリルで削れば、本当に悪い虫歯の部分だけを削ることが出来、歯を削る量が最小限で済みます。

痛くもなく、まだ気づかないほどの虫歯。でもそのままでは進行して将来穴が大きくなってしまう虫歯を積極的に早期発見して、小さなうちに治してしまう。
「予防的虫歯治療」は「早期虫歯治療」と言うのが正しいのかもしれません。
しかし、早期虫歯治療と言うと、初期虫歯は再石灰化で削らずに治るから削らない方が良いという意見を言う人がいると思います。

「予防的虫歯治療」は再石灰化では治らない段階まで進んでいて、削って詰め物をしなければ進行してしまう虫歯を、可能か限り早期に見つけて、必要最小限の削る量で治すことを言います。

こんな「予防的虫歯治療」は、歯科医師の正確な診断技術と患者様の協力が必要です。虫歯で神経を取ったり、歯を失うことを防ぐためには、この「予防的虫歯治療」の考え方が重要です。

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