歯周病は歯肉の病気ですが、歯周病菌が血管から廻って全身疾患をもたらすことが知られています。歯周病にかかっている人は心筋梗塞や動脈瘤、糖尿病などにかかるリスクが高まるという調査結果も出ています。
さらに、これから出産を考えている女性たちにぜひ知ってほしいのが、歯周病と早産の関係。1996年にアメリカで行われた研究によれば、妊娠37週未満で出産したり、2500グラム以下の低体重児を出産した人たちは、歯周病にかかっている人が、かかっていない人に比べて7.5倍もいたのだそうです。
歯周病菌が早産を引き起こすメカニズム
血管を通って全身に廻ってしまった歯周病菌は、妊娠中の女性の羊水にも入り込んでしまいます。体の免疫機能は、歯周病菌を殺そうと活動を開始します。その際に胎児を包んでいる大切な羊膜を傷つけてしまうことがあるのです。
また、体が歯周病菌を殺そうとするときに出すプロスタグランジンの一種は、子宮の収縮を促進する効果もあり、陣痛を早めてしまうこともあります。
妊婦さんはホルモンの関係で、歯周病にかかりやすくなります。健康な赤ちゃんを産むためにも、妊娠期のお口のケアはとても重要です。
まずは日頃の歯みがきを効果的に行えるように、正しい歯ブラシの使い方を身に着けましょう。そして歯周病にかかっていないかどうかを歯科医院で定期的にチェックしてもらうことも大切。もしかかっていたら、大切な赤ちゃんのために、本気で、がんばって、歯医者さんでの治療を受けてくださいね。