先日「歯が欠けたから」と来院された若い男性の患者さん。
上の歯の奥歯に大きな穴があいていました。痛みは何もないそうです。奥歯の大きさの四分の一くらいの穴です。麻酔をして穴の中の汚れを取り除いてみるとすでに神経が見えるほどの深い虫歯でした。ご本人は痛くないので放置したようです。
通常、初期の虫歯では痛みを感じることはありませんが、大きな穴が空くほど虫歯が進行しているのに痛みを感じないときは、歯の神経がすでに死んでいる可能性もあります。痛みを感じないからと虫歯を放置しておくと、様々な症状になって表れます。
神経が死んでいない場合でしたら、虫歯が神経に到達したとたんに非常に強い痛みが出ることがあります。神経が虫歯に冒されてしまったら、神経を抜かなくてはいけません。また、顎の骨に膿が溜まることもあります。なんだか顎の下が痛いと皮膚科にかかっていたけれど、原因は虫歯だったという患者さんもいらっしゃいます。
虫歯が悪化しすぎると、最悪の場合歯を抜かなくてはいけなくなります。虫歯は痛いもの、痛くなったら歯医者に行けばいい、と思っていると大切な歯を失うことになりかねません。虫歯も早期発見・早期治療が大切だと覚えておいてください。そのためには半年に1回、歯医者でクリーニングとフッ素塗布を行い同時に検診もしてもらいましょう。