歯磨き粉の選び方(1)フッ素はいい?悪い?

スーパーやドラッグストアの棚にはたくさんの種類の歯磨き粉が並んでいて、どれを買ったらいいのか、迷った経験はありませんか。歯周病予防、薬用などと書いてあるものも多いですね。その中にもたくさんの種類があって、困ってしまいます。

歯磨き粉を選ぶときの基準として、フッ素が入っているかどうかはとても重要です。

現在日本で販売されている歯磨き粉は、ごく少数の特殊な商品以外、ほとんどの商品にフッ素が含まれています。フッ素は虫歯予防に大変高い効果があるからです。

しかし、フッ素に関しては賛否両論です。
患者さんの中でも「フッ素は体に悪いんじゃないか」と悩んでいる方も少なくありません。
高濃度のフッ素は殺鼠剤に使われるなどしているので、「フッ素は毒なのではないか」と思う方もいます。

最近読んだ本によると、アメリカではフッ素を含む商品に「フッ素は毒性がある」ということを明記しなくてはいけないことになっているそうです。そんなこともあって、フッ素を毛嫌いする人も増えているようです。

厚労省の見解では、歯磨き粉に含まれるフッ素の含有量はものすごく厳密に決まっています。
さらに、フッ素は自然界にも存在する成分なので、果物にも含まれています。

たとえばいちごを食べるだけでも、微量のフッ素を摂り入れていることになるのです。
フッ素は化学薬品でもなければ、歯磨き粉だけが害を及ぼすものではないのです。

歯磨き粉は食べるものではありません。
粘膜からの吸収はありますが、歯磨き粉に含まれる程度の微量では体に対する害はない、
むしろ虫歯予防の効果を考えると得られるメリットが大きい、というのが現在多くの歯科医師が持っている感覚だと思います。

フッ素を含む歯磨き粉をどのくらい食べたら中毒症状が出るかという調査結果があります。
大人であれば5本程を一度にまるごと飲んだら気分が悪くなるかもしれませんが、健康には問題がないということです。普通に歯磨きをして吐き出すのならまず問題はないと言えるでしょう。

毎日、低濃度のフッ素を歯に与えることは虫歯予防にとても効果があります。
歯磨き粉を購入する際には、商品の裏を見て「フッ素」や「フッ化ナトリウム」などが配合されているかご確認することをお勧めします。

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